主な工程
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01企画
テーマや作品の特徴、プロット(あらすじ)など何をつくりたいかをまとめ、企画書を作成します。
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03絵コンテ
シナリオを元にカット割りを行い、画面のイメージをビジュアル化します。構図やカメラワークなどの演出をこの段階で決定します。
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05原画
絵コンテを元にカメラアングルや人物・小道具などの配置を決め、芝居を設計して動きのポイントになる絵を作画します。
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07仕上げ(ペイント)
動画の作業工程で完成した線画状態の絵に彩色ソフトで色をつけます。
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08撮影(コンポジット)
仕上げが完了した動画素材と背景やCGを合成し、エフェクトを付加して画面を完成させます。
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09音声・台詞
キャラクターの声やナレーション、効果音を加えて映像に表情を作り出していきます。
各部門の仕事紹介
アニメーター(動画マン・原画マン・作画監督)
一般的には「絵」を描く職業のイメージが強いが、本質的には「動き」を作る(デザインする)仕事。映画やテレビ作品においては、画面の構図を設計したり、作中の登場人物の演技や表情を作っていく作業が中心となる。2Dアニメーターの職業に就くと、最初は動きの繋ぎを描く仕事(動画マン)から始めて仕事の基本知識を身に着け、次に、動きの要点を描く仕事(原画マン)となり、やがて作品全体の作画を調整する仕事(作画監督)に昇格していく。アニメーターから演出や監督となっていく人もいる。作画によって動きを作る以外にも、3DCGキャラクターや実物のフィギュア等に「動き」をつける「アニメーター」の仕事もある。
撮影
アニメーション業界での「撮影」は、動画と背景を合成し映像の完成画面を作る工程を指す。撮影という呼び方は、セル画と背景画を撮影台に乗せてカメラで物理的に撮影していた時代の名残であり、現代ではすべてPC上での作業となっている。基本的には、「タイムシート」(アニメーターが作成する映像制作の指示書)に基づいて、Adobe AfterEffects等の映像合成ソフトウェアを使用して映像を組み立てる仕事である。PCやソフトウェアの性能が年々向上し撮影工程でできる映像表現の幅は増えている。手描き(2D)アニメーションであっても、撮影でのエフェクトやカメラワークの付加によって画面の見栄えは格段に変わるため作品の完成度を高める重要な職種となってきている。
制作進行
文字通り作品制作を管理し、納期までに完成できるように制作作業を進行していく職種。直接的に作画や映像を作るわけではないが、監督やアニメーターなど制作スタッフの能力が十分発揮できるようにするための調整力が要求され、作品のクオリティを大きく左右するポジションといわれる。アニメ制作全般に関わるため幅広い専門知識が身に付き、制作デスク、プロデューサーなどに昇格していくことが多いが、監督、演出に進む人もいる。各部署の調整役でもあるためコミュニケーション能力が問われる。スタッフの確保、資料収集、素材輸送、社外スタッフとの調整も多いため普通自動車免許がほぼ必須の職種となっている。
仕上(デジタルペイント)
アニメーターが完成させた線画状態の動画素材に彩色を行う職種。動画がアナログ(紙素材)の場合は、素材のスキャニングと線の補正も行う。上級職としてキャラクターなどの色設定を行う色彩設計がある。
背景美術
アニメーターが描いたレイアウトに基づき、背景画やBOOK(前景)を描く。近年ではアナログ制作は減り、デジタル作画での制作が主流となっている。上級職の美術監督になると、背景の設定画や作画見本を描く仕事を行う。
キャラクターデザイン
キャラクターの三面図や表情集などの設定画を描く。アニメーターがゼロからデザインする場合と、漫画家やイラストレーターがデザインしたものをアニメーション向けにアニメーターがリデザインし設定画を制作する場合がある。
演出
監督の要求や指示に従って絵コンテを描き作品の場面展開や人物の演技を決める。また、アニメーターが作成したレイアウトに対し、絵コンテの演出内容通りに描かれているかチェックする。
編集
撮影で上がってきた映像素材を繋ぎあわせ、不要な部分をそぎ落とす(カッティング)。また、音声素材と合成(ダビング)し、最終の完成映像に仕上げる。
監督
作品内容についての責任者であり、演出、作画監督、美術監督、撮影監督、音響監督などの主要スタッフに作品の方向性に基づいて指示・要求をだす。自分で絵コンテを作成する監督も多く、作画・撮影などを直接制作・修正する監督もいる。
プロデューサー
製作責任者。企画立案、資金の調達、人材や制作会社の確保、利益分配などを行う。制作を完成する業務に特化した「制作プロデューサー」と呼ばれるポジションもある。